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旅するイタリア語&古澤さん Archive

 古澤さんとロマの旅


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今日も今日とて古澤さんは、ハンガリーへやってきた。

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流浪の民ロマの音楽を求めて。

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「 ジプシー楽団の人にジプシー音楽って本当はどんなものなんだろ、

  ってことを一度もちゃんと話を訊けたことがないんです 」

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破綻のない正確な演奏でクラシック界期待の新星といわれた古澤さん。

しかし25歳でアメリカの音楽学校に留学した時、

 「 自分の心の内を自由に表現せよ 」 

という課題を与えられ、楽譜がなければ何も弾けない自分に気が付いた。

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バイオリンに触れることすらできない日々 ・・・。

そんな時友人が貸してくれたロマ音楽のカセットテープに衝撃を受ける。

 「 彼らの音の中にいろんな感情が聞こえてくる。

     先ずあれがあって僕が自由になれました 」

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ブダペストで知古の音楽家を訪ねた古澤さんは、ロマの人たちが

ロマ本来の音楽でなくクラシックを勉強していることに驚く。

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ロマ音楽の源流を求めルーマニアはトランシルヴァニア地方へ。

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ロマの出自は今のインド北西部。およそ千年前、異民族の侵攻によって

故郷を追われ、中東からヨーロッパへ移動と定住を繰り返し各地に広がった。

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 「 なんか、おみやげ屋さんでできたみたいな家だな 」

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あご当てを使わないどころかバイオリンの角度を自由に変えて演奏する。

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コントラバスの手作りの弓に驚く古澤さん。

 「 弓とのこぎりの間ぐらいの感じですかね 」

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敬虔なクリスチャンのシュテファンさん。

ロマは定住した土地の宗教を受け入れる傾向がある。

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 「 昔も今も私たちロマは苦労ばっかりだ。損な役回りなんだよ 」

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複雑な民族問題を抱えるトランシルヴァニアでは

音楽は常に人々を束ねる手段として利用された。

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 「 選挙があるたびに投票所に駆り出されたんだ。朝から晩まで

   演奏しなくてはならなかった。 ” ルーマニアは素晴らしい ” 

   といった曲だよ。もちろん強制的に弾かされたんだ。タダ働きで 」

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インド北西部に住むカルベリヤ族。

音楽や舞踊を生業とする彼らの祖先がロマの起源といわれる。

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彼らは流れ着いた先で人々が好む音楽をその土地の楽器を使い演奏した。

この交流の中からロマが歩んだ道には新しい音楽が次々と産み落とされた。

トルコのベリーダンス、マケドニアのブラスバンド、スペインのフラメンコ ・・・

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 「 あんた、頭に巻いてる物は暑くないの? 」

 「 でも、暑くなったり寒くなったりするから。

   だってみんな被ってるじゃないですかエヘヘ~ 」

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古澤さんは、 ” カルダラリ ” と呼ばれる放浪のロマと旅をする。

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カルダラリのなりわいは金物づくり。廃材を使って鍋やバケツ等を作る。

使う道具は金づち一本。溶接しなくても鍋の底を簡単にくっつけてしまう。

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「 なべ職人のおでましだ! どれも丈夫だお買どく! 」

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「 買うわ 」「 じゃワインととうもろこしの粉だ 」

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働いた者も怠けていた者も食べ物は均等に分け合うのがしきたり。

放浪生活では一族40人全てがひとつの家族なのである。

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1942年、5歳だったトマさんは家族とともに強制収容所に送られた。

 「 たくさんの人がひどい目にあったんだ。死体は枯葉みたいに

   そこら中にころがって、歩く人々に踏まれていた 」

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戦争が終わってみれば、ヨーロッパ各地で50万人ものロマが殺されていた。

しかしユダヤ人には謝罪と補償がなされたのに対し政治的な組織をもたない

ロマには何の償いもなかった。その後社会主義の時代となり定住を強制される。

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チャウシェスクが倒れた後も迫害は終わらなかった。過激な民族主義が

台頭し、集落への焼き討ちが相次ぐ。ロマへの暴力は今も絶えない。

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  陽が沈んだころ 町を通った

  ああ神さま その時だった

  一人のロマが飛び出してきた 手にかごをかかえて

  彼の身があぶないよ 彼のことを助けて

  私の愛しい仲間よ どうなってしまうの 神さま


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「 明るいようには聞こえなかったし、明るくも悲しくもない何かだったんですね。

  きのう今日の悲しみじゃないからね。旋律自体が悲しい必要も決してなくて、

  彼らの悲しみはもっと深いところにあるんじゃないかな 」

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彼らと別れ、ルーマニアをさらに南へと向かう。

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” タラフ・ドゥー・ハイドゥークス( 義賊の楽団 ) ” は

クレジャニ村の楽士だけで結成されたロマの楽団である。

13人のメンバーは30代から70代まで幅広い世代に及ぶ。

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ハイドゥークスのメンバーは世界的に活躍するよおになっても村を離れない。

外貨を稼ぎ、比較的裕福なメンバーの一人カリウさんは毎日親せきや

近所の人を食事に招く。その数は多い時で30人に及ぶ。

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 「 ご飯もスープもまだあるから。あとで牛肉のステーキも出すよ! 

   それでも足りなかったら鶏肉も買いに行くよ。なんとかなるものさ 」

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 「 このグループが、違う世代で演奏してるのがすごく感動したんですけど 」

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 「 若い客を喜ばせるのは若いやつらでいいが、年寄りの客には

   ワシら年季の入ったベテランでなきゃだめなのさ 」

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ハイドゥークスの一番難しい曲を古澤さんが弾きこなしたと聞き、

メンバーが集まってきた。そしてセッション実現!!

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 「 やりますね日本の方! 腕が熱いでしょう! 」

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 「 戦争があったり、苦しい目にあってきた彼らが生き抜いてきた、

   その強さそのものがあの音楽なんじゃないかと思います 」


   


 最後の古澤さん


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古澤さんたっての希望で名車オーナーの邸宅へやってきた。

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実は古澤さんは大の車好き。( 意外! )

数々の名車を乗り継ぎ、なんとレースにまで参加しちゃう!

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イタリア国内に10台はないといわれるトライアンフ・イタリア2000。

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 「 きれいだと思いますよ 」とマッテオさん。

 「 きれいなの! すごいカッコいいの!! 」( 怒 )

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運転させてもらえるとなってにわかに慌てる古澤さん。


 「 君が運転する? それとも僕がする? 」

 「 いやいや僕免許が。国際免許がないと( 汗 ) 」

 「 そんなこと重要ではないですよ 」


いや重要でしょ。

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2人乗りなのでオーナーと2人きり!


 「 このエンジンの良いところは低い回転数でもパワーが出せることだよ。

   ずっとサードギアでいけちゃうんだよ。( イタリア語 )」

 「 ずっと3で?サードでず~っといけちゃうんだね。( 日本語 )」


趣味が合うと通じちゃう不思議。

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 「 君が感動してくれて僕も嬉しいです 」

 「 ナポリに来れてジョセッペさんに会えてよかった! 」

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一瞬でポンペイを滅ぼしたヴェスヴィオ山に登る。

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 「 進まないんですよ、これ。滑って 」

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おみやげの絵はがきも無事に買えた古澤さん。

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最後は山頂で演奏。チ・ヴェディアーモ!( またあいましょう! )


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今日も今日とて古澤さんはあの、ポンペイ!

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 「 見て見てこのモザイク! こんな細かいんだよ 」

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古代ワイン研究の第一人者ピエロさん。

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 「 当時の様子を描いたフレスコ画がありますよ 」

 「 見てもいいですか? 」

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2000年前の生活を今に伝える壁画。

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 「 必ず裸のおじさんがいるんだけど何でなんだろねいつも? 」

 「 まず陽気さを表していると思います。

    次に当時の生活では自然なことではないかと 」

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ポンペイで作られていた古代ワインの再現に取り組んでいるピエロさん。

古澤さんは「 ブドウ畑はどこですか? 」という新しいイタリア語を学んだ。

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 「 これは円形劇場ですよね? 」とマッテオさん。

 「 ここでコンサートもする? 」と音楽家の古澤さんとして当然の質問。

で、いよいよ今日学んだフレーズ。

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 「 トイレはどこですか? 」

 「 それは違うのんですね 」

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イタリアワイン界の誇りとまでいわれるピエロさんは

あくまでもクールに古代ワイン再生プロジェクトの説明を始める。

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 「 こおやって作ってたってのはどおやって判ったんですか? 」

 「 考古学者が手伝ってくれました。

    彼らは石こうの鋳型技術を使います 」

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噴火に巻き込まれた人々の様子を再現した技術と同じですね。

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満を持して年間1500本しか作れない幻のワイン登場!

 「 1500本? そんなちょっとなの? 陽に当てたらダメだよ! 」

勝手にフタを閉める古澤さん。

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最後はお約束の「 Salute ! ( 乾杯! ) 」

いやー素晴らしい休日ですね。うらやましいですね!

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【 おまけ 】 ヤマザキマリさんの男根信仰解説。

 「 こちらはティンティナブラムといいます。古代ローマ人にとっては

    これが非常に魔除けとして効果があるものとされておりました 」

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「 どおいう想像力だったんだろと思うわけですよ。羽根が生えてたりとか 」

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「 そのものが豹になってたりとか 」

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 「 作ってた人達、朝から晩までこれのことばっかり考えていたんだと

    思うんですけどね。ま、それも大事な仕事ですからね 」 

  
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