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2018年05月04日
「 猫の地球儀 」
- 2018-05-04 (Fri)
- 読書

スカイウォーカー37番、幽( かすか )。黒猫にしてトルク
( 衛星軌道コロニー )のお尋ね者。彼には夢があった。未だ誰も
なし得ない、生きて地球へ渡るという野望が。そしてそれはトルクを
統べる大集会にとっては教義否定の許すべからざる所業であった。

白猫焔( ほむら )はドルゴンと尊称される最強格闘王。特権と権力を
付与されているがそれを嫌い、わずか12秒で自分を打ちのめした幽に
付きまとう。彼はイラつく。
自分をはるかに上回る力を持っている奴がいる。
なのに、そいつの目は、自分には理解できないほど遠くを見ている。

焔に憧れるチビ猫ストーカー楽( かぐら ) 。持ち前の無邪気さで
焔と幽の間を屈託なく行き来する彼女はやがて大集会の放った刺客により
拷問され殺される。大集会にとって、魂の行き場である地球が実は渡航可能な
リアルワールドだなどという異端思想は圧殺すべきものであり、それを実現
しようと目論むスカイウォーカー達は常に暗殺対象なのである。

幽や焔に理解を示す大僧正は語る。手前勝手に夢を追う非を語る。
「 自分でネズミを獲らんでもわしらの食う分はそこにある。ネズミを
自分で獲る手間が省けてヒマができる。そのヒマから物は見えてくる。
じゃが、わしらが食ったそのネズミを獲ってきてくれたのは、誰じゃ? 」
幽は旅立った。多くの骸( むくろ )と失意の焔を残して。
灼熱の龍の住む上層大気を抜け、彼の足の下の窓に、
海が、
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「 フィッシャー・キング 」
- 2018-05-04 (Fri)
- 読書

NYの人気DJジャック・ルーカスは右手に美女、左手に富。我が世の春を
謳歌中。だがある日、得意の ” 負け犬を手厳しくやり込める ” トークが
無差別殺人を招いた時、世間は手のひらを返し彼はビデオ屋の女のヒモに転落。

ノベライズ本です。ハタチで出会って感動したんだ。今読むと、クサっ!
絶頂から奈落? 自殺未遂? ホームレス達との心温まる交歓?
なんてスノッブなんだ! ビデオ屋の女とも、ああ思った通り騎乗位。

チンピラの襲撃から彼を救った男はパリー。神か悪魔の配剤か、パリーは
例の無差別殺人で妻を亡くし自らも気がふれてしまった。罪の意識に苦しむ
ジャック。温かく見守る女。おい、真人間になる第一歩だって気が付けよ!

王は聖杯を求めた。国を挙げての捜索も叶わず、王も王国も死に始めた。
ある日愚直の者が城内でひとり苦しむ王を見つけ言った。
「 なんで苦しんでいるんだね? 友よ 」
「 喉が渇いているのだ。ひと口水を飲みこの渇きを癒したい 」
そこで彼はテーブルにあった杯を取り上げ水を満たして手渡した。
それは王が一生かかって捜し求めた聖杯にほかならなかった。
「 最も聡明で勇敢な家臣にも見つけられなかったものを、
どおやっておまえは見つけ出したのだ? 」
「 わからないね。おれが知ってたのは、
あんたは喉が渇いてたってことだけさ 」

映画の脚本にふさわしく喜怒哀楽を1.5倍に増幅する手法のまま
やっぱり男は改心し、やっぱり女の元へ戻る。なぜって?
「 世の中のひどい事って大体人間のせいじゃない。それも男のね。
こんな男を作ったのは悪魔よ。そして女は神さまがこしらえたのね。
そお考えれば女が男に惹かれるのも納得がいくわ。人生の意味なんて
男と女の結婚だけ。そおすれば悪魔と神さまで協力していけるじゃない 」
どっとはらい。
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