- 2016-04-29
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休みに入り急に体調を崩した。気分悪い、胸が痛い、ムカムカする。
ウチは癌家系だし、今や日本人の2人にひとりが罹患するというから、
もしそおでもさほど驚きはしない。むしろ ” 天啓 ” とさえ思う。

親父は81で逝った。汚く小さくなって、最後は深夜の病院から逃げて、
院内総出で探し回るという醜態を演じたが、 ( 近くのスーパー前で
うずくまってた。彼はもおどこへも行けなかったんだ ) よく闘ったよ。
でもひとりモンに長生きってツライの。冷えたリノリウムの床を一人歩いて
トイレへ行く。どおせ病院で死ぬんだからそれができるうちに死にたいんだ。

今ならね、病とがっぷり四つて訳にはいかないけど、慣れ合ってゆける。
「 おや、チト早いんじゃないの? 」 「 こっちにもノルマがあってね~ 」
前日まで文庫本を読める知力。身体を拭いてくれた看護師さんにお礼が
言える体力。今ならまだ身寄りのない独居老人じゃない。泣いてくれる人も
数人はいるだろう。え、悲観的に聞こえる? んなことないですよ。死なんて
ひとりモンにはお天気の話といっしょで、必ず降る雨のために傘持ってこ、
ってレベル。世界が生と死の循環で祝福されてるなら、なにを恐れるものか。

「 食べものの味がわからなくなった。もういいでしょう 」
そお言って旅立った人がいた。なんてダンディなんだ! とりあえず寝ます。
日が上り目覚める可能性を信じられるなら、あなたは生きるに値するのです。