- 2018-05-04
- 読書

NYの人気DJジャック・ルーカスは右手に美女、左手に富。我が世の春を
謳歌中。だがある日、得意の ” 負け犬を手厳しくやり込める ” トークが
無差別殺人を招いた時、世間は手のひらを返し彼はビデオ屋の女のヒモに転落。

ノベライズ本です。ハタチで出会って感動したんだ。今読むと、クサっ!
絶頂から奈落? 自殺未遂? ホームレス達との心温まる交歓?
なんてスノッブなんだ! ビデオ屋の女とも、ああ思った通り騎乗位。

チンピラの襲撃から彼を救った男はパリー。神か悪魔の配剤か、パリーは
例の無差別殺人で妻を亡くし自らも気がふれてしまった。罪の意識に苦しむ
ジャック。温かく見守る女。おい、真人間になる第一歩だって気が付けよ!

王は聖杯を求めた。国を挙げての捜索も叶わず、王も王国も死に始めた。
ある日愚直の者が城内でひとり苦しむ王を見つけ言った。
「 なんで苦しんでいるんだね? 友よ 」
「 喉が渇いているのだ。ひと口水を飲みこの渇きを癒したい 」
そこで彼はテーブルにあった杯を取り上げ水を満たして手渡した。
それは王が一生かかって捜し求めた聖杯にほかならなかった。
「 最も聡明で勇敢な家臣にも見つけられなかったものを、
どおやっておまえは見つけ出したのだ? 」
「 わからないね。おれが知ってたのは、
あんたは喉が渇いてたってことだけさ 」

映画の脚本にふさわしく喜怒哀楽を1.5倍に増幅する手法のまま
やっぱり男は改心し、やっぱり女の元へ戻る。なぜって?
「 世の中のひどい事って大体人間のせいじゃない。それも男のね。
こんな男を作ったのは悪魔よ。そして女は神さまがこしらえたのね。
そお考えれば女が男に惹かれるのも納得がいくわ。人生の意味なんて
男と女の結婚だけ。そおすれば悪魔と神さまで協力していけるじゃない 」
どっとはらい。
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